業務委託で源泉徴収が必要になるケース
個人事業主に業務委託を行って対価が支払われる場合、その対価に対して源泉徴収されるのかされないのかは税法上の規定があります。本来は徴収しなくても良い業種から所得税を徴収しても法律に対する過誤とは見なされないため、企業によっては事務手続きの観点から業務委託している全ての業種から徴収している場合もあります。しかし、個人事業主との間でしっかりとした契約が取り交わされていない場合、源泉徴収しなくても良い場合に徴収すると揉め事に発展する可能性もあるため、どのようなケースで必要になってくるのかを把握しておくことは大事だと言えます。
まず、個人事業主を契約社員扱いとして報酬を給与扱いにする場合は、その給与から所得税を徴収する必要があります。一方、複雑なのは請負という形で雇用して報酬を支払う場合です。請負報酬の場合、個人事業主が得られた額に応じて確定申告をするのが一般的です。しかし、所得税法204条では源泉徴収が必要な業種を限定しており、これに指定された業種に渡す報酬は税率に応じた額を天引き徴収して納付することが義務付けられています。具体的には、デザイン関係や弁護士・司法書士、引いてはプロスポーツ選手といった特別な技能を要する業種の場合は徴収されていなければなりません。この他にも外交員や集金人・テレビの出演や製作に関わる仕事・ホテルやバーといったサービス業も、業務委託される場合には源泉からの徴収がなされなければならないため、注意が必要です。